謹啓
今年はやや遅れ気味ではありましたが、昨今では当たり前の猛暑がやってきました。
暑中お見舞い申し上げます。
加えて今年は年初からの新型コロナ禍が日本のみならず世界中で猛威を振るい、世界史に大きく刻まれるであろう大事件の真っただ中に、その当事者として私達がいるということが小説や映画の中の話のようで、いまだ他所事のように感じてしまう自分がいます。
ですが言うまでもなく、日々のニュースが伝える現実を私達は受け入れざるを得ません。
3月の時点で5月に予定しておりました「第45回狂言を観る会」の公演中止の案内をさせていただきましたが、状況が改善しない現状から判断して本年11月27日の金曜日に開催を予定しておりました秋の「狂言を観る会」につきましても公演を中止することに決定いたしました。
誠に残念でありますが私達にはどうすることもできないことであり、ご了承をお願いするほかありません。
舞台芸能・芸術である能や狂言、歌舞伎その他の古典芸能は特にですが、飲食業やサービス業と同様、人に足を運んでいただかなくては成り立たない分野であります。
山本家の皆さんの胸中は察するに余りあります。
現在のコロナ禍が終息した暁には、速やかに公演予定をお伝えできるよう対応する所存でありますので、心に掛けていただきますようよろしくお願いいたします。
このコロナ禍についても始まりがあったのですから、必ず終わりがあります。
大蔵流山本家狂言二百曲全曲公演と掲げているからには、44回までの公演で終わりにするわけにもいきませんので、暫しお待ちいただきますようお願い申し上げます。
謹白
令和2年8月
「狂言を観る会」世話人 代表 市川 克弘